2024年今年の夏は、数十年に一度の暑さになると発表されていたとおり、
気温40度を超えの地点が続出しています。
熱中症で救急搬送される方が後を絶ちませんが、
熱中症に注意が必要なのは、人だけではなくもちろんワンコも同じこと。
「暑い!!」と言えないワンコために、私たち飼い主は適切な予防と対策をとってあげたいものです。
そこで、今回は知っておきたい犬の熱中症の基礎知識と熱中症予防対策を
飼い主歴18年の経験談もまじえてお届けします!
大事なワンコを熱中症から守らなきゃ!
犬の熱中症のこわさ
それでは初めに、犬の熱中症についての基礎知識、人との違いを整理していきましょう。
◆犬の熱中症とは?
犬は私たちと異なり汗をかくことで熱を放散することができません。熱の放散を呼吸に頼っています。
しかし、気温や湿度が極端に高い場合、犬自身の呼吸によって体から放散できる熱の限界を超えてしまい、フラフラしてしまったり(中枢神経系の機能異常)、脱水症状に陥ってしまったり(循環不全)、酵素系や細胞機能の障害を引き起こしてしまいます。
熱中症は時に犬の命に関わることもある、怖い病気です。
引用元:日本動物医療センター
熱中症は私たち人間であっても、もちろん怖い症状ですが、
全身を被毛に覆われ、汗を出す汗腺も少ないワンコたちは、体の熱の放出をハアハアとするパンディングに頼っているため、熱中症に陥りやすい条件が追加されます。
加えて体高が低いので、路面の照り返しを強く受けてしまいます。
しかも、具合が悪いことを言葉で伝えることも、助けを求めることもできないですからね。
そして、熱中症は健康な子でもあっても命を落としたり後遺症が残ることもありますから、
ワンコにとって、とても怖い症状なのです。
犬の熱中症はどんな症状?
ワンコたちの熱中症はどのような症状が現れるのでしょうか?
あれ?と思った時に、私たち飼い主がチェックできる症状を挙げていきましょう。
犬の熱中症の代表的な症状
- 体がいつもより熱い
- ぐったりして元気がない
- 呼吸数や心拍数が増える
- 目や口の粘膜の充血している
- よだれが増える
- 嘔吐や下痢がある
- 力が入らない
- 意識がない
- 発作や痙攣が起こる
人は、だるさや吐き気といった症状を言葉で訴えられるので、気づきやすいですが、
ワンちゃんたちはこういった症状を言葉にできません。
飼い主さんがワンコの状態をしっかり観察し、気づいてあげる必要があります。
また、上記の症状だけでなく、何かいつもと違うおかしな様子があったら、すぐに獣医さんに相談することが大切です。
熱中症になりやすい犬の特徴5選!
犬にとっておそろしい熱中症ですが、特に気をつけてほしいワンコたちがいます。
ここは熱中症になりやすい特徴をあげてきますので、チェックしてみてください。
①短頭種
パグ、フレンチ・ブルドック、ボストンテリア、チワワ、シーズー犬などの犬種
これらの短頭種と呼ばれるワンコは上部気道が狭いため、水分を蒸散する能力が低く、熱中症になるリスクが非常に高いです。
中でもさらに気をつけたいのが、軟口蓋過長症や短頭種気道症候群などの呼吸に難がでやすい疾患を持ったワンコたちです。
このような場合、真夏シーズンに屋外で散歩することに、ドクターストップがかかることもありますので、
心配なことがあれば、獣医さんに相談されることをおすすめします。
②北欧犬種
シベリアンハスキー、サモエドなどの犬種
これらの犬種はもともとは涼しい地域の犬種なので暑さに弱く、
また寒い地域に生息していた特性によって、毛が密であるため熱中症になりやすいです。
③毛色が黒い犬
意外に思われるかもしれませんが、「毛色」も熱中症のなりやすさに関わります。
黒という色は最も日光の光と熱を吸収する色です。
ですから、黒や黒系のカラーのワンコであれば、やはり熱の吸収率も高くなり、体感温度もかなり高くなります。
④心臓や呼吸器や腎臓の病気がある犬
いずれの疾患も脱水しやすく、呼吸状態が悪化しやすい等の理由から発症のリスクが高くなります。
また、健康なワンコと比べて体力の消耗も多く起こりますから、持病のあるワンコは要注意です。
⑤肥満の犬
肥満の身体は、厚い皮下脂肪により体の表面から熱が放散しにくい状態になります。
また、喉にも脂肪が付着することで、圧迫されて気道が狭くなり、呼吸がスムーズでなくなり発症しやすいです。
熱中症に注意したい場所5選!
それでは、ワンコの熱中症につながる原因を整理していきましょう。
熱中症の主な原因3つ
ワンコが熱中症になる主な原因としては以下の3つです。
- 高温多湿の環境
- 熱を体外へ出せないこと
- 過度な運動
これらの原因を作らないように、飼い主さんが気をつけてあげることが大切です。
ここでは、高温多湿の環境について具体的に挙げていきます。
気をつけたい高温多湿の環境は?
◆クレート内◆
ワンコのクレートは素材にもよりますが、熱がこもりやすい場所となります。
少しでも涼しい環境を作ってあげるために、冷却マットを敷いたり、内部に保冷剤を置くなど工夫をすると良いでしょう。
いつでも新鮮なお水が飲めるようにこぼれない器にお水を設置してあげましょう。
クレートを置く場所の温度や風通しの良さも気をつけたいところです。
◆車内◆
買い物などで、ほんの少しだけ車にお留守番をさせる飼い主さんもいらっしゃるようですが、暑い夏ではこの行為は完全にNGです。
エアコンを切った車内の温度はわずかな時間で一気に上昇します。
風通しもありませんから悪いことで短時間のうちに熱中症を発症させてしまいます。
エアコンをつけていてもワンちゃんがうっかり手で消してしまうこともあるようです。
そのため、夏場の車内でワンコだけ残しておくのはやめましょう。
◆ドッグラン◆
運動に慣れているワンちゃんであっても、夏の炎天下での運動は危険です。
気温や湿度のチェックをしながら、室内の施設や日陰のあるドッグラン選ぶと良いですが、
真夏のドッグランはあまりお勧めできません。
最近は広い水場のある施設もありますが、ワンちゃんは人のように意識的に水に入ったりできませんので常に気をつけてあげたいものです。
◆室内◆
室内は安心しがちな場所ですが、人と同様に意外にも熱中症の発症が多いとされる場所です。
特にワンコが一番長い時間を過ごす場所の気温、湿度、日の当たり方や風通しには注意してあげると良いでしょう。
人と体感温度が違いますから、ワンコの呼吸の様子や表情を見ながら、エアコンで快適な温度に設定してあげましょう。
人は快適に過ごしていたのに、ワンコが熱中症になってしまった!といったこと起こりがちです。
人とワンコでは、毛むくじゃらのワンコの方が暑さに弱いのです。
◆屋外◆
夏場はいつもの散歩にも注意したいものです。
多くのワンコの楽しみである散歩ですが、1日のうちで一番涼しい時間に少し短縮して行うなど工夫が必要です。
経験的には、地面の熱がまだ冷めていない夜の時間帯よりも朝方が狙い目です。
日が昇る前の時間が、1日で一番涼しくて、ワンコの散歩に適しているようです。
近頃の真夏の猛暑で大切な命を守るためには一定の気温を越えたら、
屋外に出さないと決めておくのもいいかもしれません。
もしもワンコの熱中症が疑われたら
では、万が一ワンちゃんに熱中症の症状が出てしまったら? どうすればいいのでしょうか?
まずは自分で判断せず、すぐに動物病院に連絡して、指示を仰ぐことが大事です。
それから、動物病院へ急ぐ間に私たち飼い主ができることがあります。
①できるだけ涼しい場所へ移動させる
②脇・股に保冷剤を挟んで冷やす
まずは上昇している体温を下げることがとにかく大事です。
暑い場所からワンちゃんを移動させて、脇の下、股の間など太い血管が走っている場所に、タオルを巻いた保冷剤を挟んで冷やします。
まずは、ワンコの表情や様子がいつもと違うかどうか常にチェックしてあげることも大切です。
そして応急処置だけではなく、動物病院の受診が必要になります。
熱中症は、どれだけ早く症状に気づけるかということが最も重要です。
治療が数分遅れてしまうことで臓器に影響がでてしまう可能性もあるのです。
そして、もしもの時に備えて、相談できる動物病院の連絡先を準備しておくと安心です。
もしものために夏は保冷剤をたくさん用意してます!
熱中症に気をつける期間は?
ここまでで、犬の熱中症の恐ろしさをわかっていただけたかと思います。
それでは、1年を通していつからいつまで、私たち飼い主は注意をしてあげればいいのでしょうか?
近年は地球規模での異常気象が見られ、日本列島も急に高温になることがあります。
春や秋のシーズンであっても、最近の日本列島では気温25度や28度を超えることもあります。
お住まいの地域によっても変わってくると思いますが、
このような状況で、愛犬を守るためには、冬以外は熱中症の注意が必要と思っておいてよいのかもしれません。
ちなみに経験的にですが、管理人犬山がワンコの熱中症の心配をしないで安心して過ごしているのは、1年のうち数ヶ月間だけです。
だいたい11月から2月ごろまででしょうか?
ただ、気候の変動が激しくなっていますので、これからはまた変わってくる可能性もあります。
ワンコの環境の温度管理は、私たち飼い主にとって必須になりましたが、
常に気をつけてあげることで、ワンコへの愛情がさらに深まることもありそうです。
使って良かった熱中症対策グッズ!
では、管理人犬山が実際に使って良かったワンコの熱中症対策グッズを紹介します。
◆ワンコ熱中症対策グッズ◆
- クールネック
- 保冷剤(多めに)
- ハンディー扇風機
- 与えやすい水入れと水
- ペット用栄養補完食
保冷剤を仕込んで使用するクールネックは暑さに弱いワンコの夏の必需品で重宝します。
頚椎部分を避けて、保冷剤を仕込んで、基本的に喉を冷やします。
一昔前は、犬用のクールネックなどはなく、手拭いに保冷剤を入れて巻いていましたが、
最近では犬の熱中症対策グッズもどんどん商品化されています。
ここ1〜2年でなんと犬の空調服も登場しています。
またの機会に、実際に使用して良かった!熱中症対策グッズなどを詳しい記事にいたします。
お楽しみに!
犬の熱中症まとめ
今回は私たち飼い主が知っておきたい犬の熱中症についての基礎知識や(なぜ、ワンコが熱中症になりやすいか等)
予防と対策について経験談をまじえて解説しました。
飼い主が気をつけてあげたい環境や熱中症予防対策グッズなど参考にしていただければ幸いです。
近頃は夏以外のシーズンであっても、急に気温が上昇することがありますので油断は禁物ですが、
対策を万全にして、不安を少なくして、ワンコとの生活を楽しんでいただく一助になればと願っております。
最後までお読みいただきありがとうございました。
対策を万全にしてワンコといっぱい楽しも!
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